虚無への供物 中井英夫 / 1964年 / 小説 ハッピー度 15/100 あらすじ(結末の手前まで)昭和二十九年、洞爺丸が沈んだ台風の夜、氷沼家の人々が命を落とす。その後も氷沼家では、不審な死が続き、探偵趣味の若者たちが、不動尊の色や洞爺丸事件との符合などから、死の謎を推理し、競い合う。結末のネタバレ 氷沼家を襲う連続怪死をめぐり登場人物たちが華麗な推理合戦を繰り広げるが、真相は地味で、蒼司が父の無意味な死に意味を与えるため叔父・橙二郎を殺した1件のみ。他は紅司の事故死、玄次の自殺、火事による焼死で、事件ですらなかった。物語の最後、推理を楽しんで弄んできた探偵役たちと、ひいては読者自身こそが、死者を娯楽として消費した「虚無への供物」を捧げる加害者だったと突きつけられて閉じる。 結末を見る(ネタバレ) 隠す Amazonで読む